太田順一「写真家 井上青龍の時代」
太田順一(1950-は、奈良県出身の写真家。早稲田大学政治経済学部を中退後、大阪写真専門学校(現・ビジュアルアーツ専門学校・大阪)を卒業した後フリーカメラマンになる。
大阪市生野区にある在日韓国・朝鮮人が多く住む猪飼野に生きる女性たちを追った「女たちの猪飼野」、大きな社会問題にまで発展したハンセン病患者が、療養所で暮す日常を描写した「ハンセン病療養所 百年の居場所」等、社会的弱者や一般的には目が届けられない人々や場所に焦点を当てた作品を手がける。
井上青龍(1931-1988)は、高知県出身の写真家。1950年代に撮影した大阪・釜ヶ崎の写真で1961年に第5回日本写真批評家協会新人賞、カメラ芸術新人賞を受賞し、注目を集める。1976年より大阪芸術大学に勤務。87年には教授になるが、88年に徳之島にて撮影中に水難死した。
本書は、2013年に出版された、写真家・太田順一氏による、1988年奇しくも事故死した写真家・井上青龍についての長編ドキュメンタリー小説です。太田氏は2006年から7年間「井上青龍」という写真家についてインタビューを含め取材を重ねてきました。写真に生き、写真に死んだ井上青龍ですが、彼の人生は順風満帆ではありませんでした。「不器用な彼の人生をつぶさに見ていくと、写真で生きるとはどういうことなのかを改めて考えさせられるのです。」と太田氏は言います。50〜60年代、戦後10年の世代に写真家として生きることについて考えさせられる1冊です。
出版社:出版社:株式会社ブレーンセンター
タイプ:ハードカバー
言語:日本語
ページ数:434ページ
サイズ:196×137mm
状態:古本