北川 裕 「archives R」
227×158×30 ミクストメディア (アクリル、木枠) 2021
テーマは、曖昧な存在、真実、痕跡を記憶する「アーカイブス」です。デジタル世代である私は、情報が氾濫するこの社会において、自分が抱く疑問に対する明確な答えがあると感じています。言葉が潜んでいないノイズを認識する手段は、絵よりも確実性が低く、文字よりも尖っていない言葉である絵画でトレースする。
彼の作品は、絵具に起こる現象を視覚化したトレースイメージです。アクリル絵の具をベースにした独特の組成を持つメディウムは、絵の具の乾き具合、下地、素材、重力、動きなどの影響を受けながら、現実世界の偶発的なイメージを捉えています。
絵画はもはや空想の世界の物語ではなく、イメージと空間の関係を結びつけるツールとして、事実を証明することもできます。